今日、息子は4歳の誕生日を迎えた。
どこにでもある、ごく普通のイベントだ。
だが、自分にとっては、世界一特別で、尊い日である。
4年前の今日、息子はこの世に生を享けた。
自分にとっても、妻にとっても人生初の体験である。
何を見るにも何を為すにもすべてが初めてで、かつ新鮮。
同時に、膨大な数の人たちの助力に支えられての今があることを痛感する瞬間だった。
あれから、4年。
とうとう彼は、今、たった一人で用を足せるようになった。
ぬるぬるの状態でこの世に生まれ出でて、何をするにも人の手を借りずしてすることのできない状態だったのに。
彼は今、仁王立ちで便器の前に立ち、堂々たる風貌を呈しながら、放物線を描いている。
1460日をかけて、大いなる成長を遂げたのだ。
自分の意思で、ズボンとパンツを下ろし、便座を上げることができる。
その上、事を為せば、きちんと便座を下げ、流すレバーをひねるのだ。
もともと自らの体内に存在したものへの敬意も決して忘れることはない。
排水口へと姿を消していく彼らに、全力でバイバイと手を振るのだ。
その後ろ姿に、親として、これほどの喜びを感じる瞬間はないだろう。
そして彼は、悠々とその場をあとにして、振り返り、長年の友との別れを惜しむかのように、そっと扉を閉めるのだった。
パパ〜だっこ〜!!
そう、両手を広げて、飛びついてくる。
その姿がなんとも愛くるしくて、思わず抱きしめる。
彼がまだ手を洗っていないことを少し、気にしながら。
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