第二波到来

家族の記録

世間的にはコロナ禍第七波が猛威を奮っているが、我が家にはなにをかくそう、第二波がやってきた。

その名は【RSウイルス】だ。

正直なところ、初耳だった。

元来、病気とはあまり縁がなかった人生(それ自体ありがたいことだが)だったのあって病気に対する意識が薄い。

結婚して、子供を授かってから、病気に対する意識が大きく変わった。 コロナ禍、ということも大いにあるのだが。

まぁ、加齢に伴う体の変調を自覚することが多くなってきているのもある。

しばらく前に、奥さんのママ友一家がこのウイルスに全滅した、との話を聞いていて、そのうちウチもという懸念が現実になり、さらに病気への意識が高まったのだった。

明らかに、感染源は幼稚園。

聞けば、学級閉鎖になるかもしれないぐらいの園児が休んでいるらしいのだ。

かくして息子も、御多分に洩れず、予定調和のごとく、感染して帰ってきたのだった。

そして前回(アデノウイルス)同様、順当に娘にも感染。

症状は完全なる風邪にしか見えないのだが、明らか、コロナやアデノウイルスよりも遥かに重く感じる。それが心配だった。

その明くる日の、息子が幼稚園を休んだ夜のことだった。

仕事を終え、帰宅すると、いつものように奥さんと子どもたちはすでに床に就いていた。

ここ最近の日課は子どもたちによる縦横無尽寝相ショーを眺めること。

息子、娘の病状が気になるところだが、今夜もそれを堪能させていただいた。

もし自分がビール好きなら、これを肴に一杯しているにちがいない。

なにより、これこそが現時点での自分にとっての最高の癒しだった。

「今日もありがとう」と彼らの頬にキスをして、風呂へ入る→夕食→ドラマ視聴→ブログ作業。

それが帰宅後ルーティンなのだが、第二段階へ移そうと腰を上げたところで、息子が突然うめき声をあげた。

うめき声自体は聞いたことのあるものだったからそれほど違和感がない。

すぐに治まるはずであろう、それが、中々終わらないのだ。

徐々にうめき声が叫び声に近いものへと変化した上に、その後30分ほども続いたのだ。

なだめようと声をかけても、だっこしてもダメだった。

横で寝ていた奥さんもさすがに目覚めて、交代でなだめるが全く効果なし。

二人でほとほと困り果てていると、いつのまにか息子は寝息を立てているではないか。

奥さんと顔を見合わせ、ほっと一息を付く。

「当たり前じゃないね」

そう彼女はつぶやき、息子へタオルケットを掛ける。

「…そうだね」

の言葉にかぶせるように

「ありがたいね」

とつぶやく。

その一言の中に、彼女のこれまでと、今の苦悩が凝縮されているような気がした。

【時間がない】と時折愚痴る彼女に対し、受け止めることもしないで

「時間は作るものだよ」と望んでもいないアドバイス的物言いをする自分を、責めた。

仕事で家を空けている間、自分の知らないところで一手に家事・育児を引き受けてくれていることは知っている。

知っている、だけで、その大変さを本当に受け止めてはいないのかも知れない。

役割分担だ、と開き直り、向き合おうとしていないところが、自分にはあるのだ。

息子を頭をなでる彼女を見つつ、反省をした。

【少しはやってる家事】、ではなくて

奥さんの自由な時間が作れるように【自発的にする家事】を心がけよう。

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